豊中町の名産「肉もっそ」について
豊中町名産「肉もっそ」の販売につきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止のため自粛を行っていましたが、令和5年度より少しずつ活動を再開いたしました。皆様に安心して豊中町名産「肉もっそ」をご提供できるように、無理せず、少しずつ地域のイベント等で個数限定にて販売しております。
今後とも豊中町名産「肉もっそ」を何卒宜しくお願い申し上げます。
今後の「肉もっそ」提供イベント
〈予定〉・令和7年3月 第3回 3R’青空フリーマーケット
※詳しい日程が決まり次第、ホームページにて掲載いたします。
「肉もっそ」とは
具だくさんの混ぜご飯をおにぎりの様にキュッキュッと握らず、掌の上でコロコロと転がし、ま~るく整えた三豊市周辺の郷土料理です。中でもお肉を混ぜ込んだ“肉もっそ”は豊中町ならではの名産です。おにぎりのように固く握らないため、食べると口の中でご飯がホロッとほどけるのです。干しシイタケの戻し汁や具材に味を含ませた煮汁を余すことなく入れることで、香りと少し甘めの味がご飯に染み込んでいます。1個食べるとついもう1個に手が伸びるような本当においしい混ぜご飯です。
「もっそ」のひろがり
豊中町誌には、「郷土料理の“もっそ”は、ひじき・あげなどを入れ、いりこのだしで醤油と砂糖で炊きこみ、両手で大きな球形ににぎり、道普請などの忙しいとき、食器や人手があまりいらない場合の食事としてよく作られた」と書かれています。
隣町の三野町で作られている混ぜご飯も、“もっそう飯”といわれており、激しい労働をした後に、海・山・里の食材を中心に、買うものを控えて作られたそうです。
善通寺市吉原町のモモテには二合半の“もっそう”が供されています。これは、ばらずしを型で四角に押し抜いたもので、合わせ酢は、砂糖の勝った甘口となっています。具材にはゴボウ、ニンジン、油揚げなどの他に芋ずいき、凍豆腐なども加えられています。上置きとしては油揚げと酢どった煮干しが乗せられています。善通寺市弘田町の“盛装飯”は、三合のかやく飯が円筒形に押し抜きにされたもので、どうやぶりのご馳走として出されています。
豊中町と「肉もっそ」
平成十四年に発行された豊中町「町勢要覧」の表紙には、ソフトボールほどの“もっそ”を手にした二人の男の子の写真が掲載されています。
JA香川県が発行する「きらり」には、香川の郷土料理として、“肉もっそ”が紹介されており、副題には、「掌の温もりが伝わる素朴なごはん料理も起源は、禅のこころにあり」と記されています。昔は、籾播きが終わると、地区総出で井出ざらえなどの共同作業が一日がかりで行われました。そんな時、三豊郡豊中地区では、昼食によく「肉もっそ」が作られました。棟上の手伝いの時にも、五目飯で作った「もっそ」が振舞われたものです。この物相は、手で丸く握ったものという意味で、丸や角、花や扇の形にくり抜かれた木型の中に、五目飯・すし飯などを詰めて押し出した御馳走を「物相飯」といいます。僧堂で、盛切り一膳の御飯で凡てを済ませる精進料理の食事が、その源流だといわれています。
現在、豊中町には女性九人で構成される「ひまわりレディズ」という団体があります。五年ほど前から、「肉もっそ」を地域の運動会・防災訓練・マラソン大会などで提供されており、豊中町の名産づくりとして力を入れております。もっそは全国各地で作られていますが、香川県内では主に西讃地域で作られているようです。肉を具材として使い始めたのは日本の食文化の発達から考えると、新しい時代のものと思われます。少しうがった見方になりますが、これまで使われていたいりこだしが肉に変わったのかもしれません。肉を加えたことによる効果としては、「風味のよさ、働く人たちへの力づけ、子どもたちの関心の高まり」などが考えられます。
今後、特定非営利活動法人 まちづくり推進隊豊中では豊中町の名産として、まちづくり推進隊豊中が指定管理を受けている施設「豊中コミュニティセンター」や各催し会場で「肉もっそ」を販売し、四国霊場七十番札所 本山寺でお遍路さんへの「おせったい」などで提供し、みんなに親しまれる豊中町の郷土料理として、“肉もっそ”を大切に育てていきたいと考えています。